「俺にはわからない」
僕を食べる直前の口がそういった。
生臭い息が顔にかかる。
歯磨きなど知らない牙が汚れていた。
僕もあと数分後にはこの匂いや汚れの一員になるのか。
意識が分裂して
怯えきった僕とは別に、冷静な思考をする僕がいた。
「可愛そうじゃないか。なんで食べれるんだ」
あぁそうさ、僕は可愛そうだ。
だからこの身体を裂く爪を放してくれ。
体重を掛けないでくれ。骨が悲鳴をあげている。
「俺は、草食動物がなんであんな可愛そうなことをするのかわからない」
あ
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